黒川元検事長

だいぶ疲弊しましたね。
国民も、政治も。
経済も虫の息。
娯楽を奪われた人々は息抜きもままならず、憤懣がくすぶり続けています。
もう、現政権も、ある程度の諦めを持って動いている気がします。
どう処置しようが、延命としかならない。

今、コロナ以外で何かと話題になっている、黒川元検事長。
賭け麻雀問題で、すごい悪者になりましたね。
このまま、安倍政権に切り捨てられざるを得ないでしょう。
実は、私は、この黒川氏は、魅力的に感じるんです。
この人は、多分安倍さんのお友達じゃありませんよ。
安倍さんに、ではなく、時の権力者に懸命に使えてきた有能な官僚だと思います。
民主党政権の時にも、変わらず、法務大臣を支え、政治を陰から支えている。
調べてみると、いかなる場面でも、気配りを怠らず、人を支え動かし、局面では汚れ仕事を自ら担って行う人だったと思います。
だからこそ、官邸にとっては、頼りになる、近くに置いておきたい存在だった。
結果的には、優秀だったからこそ、権力闘争の中で滅びる運命になった。
過去の功績は、すべて吹き飛んだ。
もちろん本人に野望はあったでしょうが、なんとも気の毒な、寂しい最後だなという気がするのです。
お金を賭けて麻雀をするような人物は、叩きのめして追い出して、退職金も取り上げてしまえ。
そうリードしていくマスコミも、安易に流される世間の風潮も、私は少し違和感を感じる。
今回、文春の報道をきっかけに、正義が全うされたと思うかもしれない。
黒川氏の失脚で、政権のもくろみは崩れ、司法への影響力は下がるでしょう。
しかし、違う勢力が台頭してくる。
力を増大させた検察に、脅威はないのだろうか。
カルロス・ゴーンへのやり方は、いくら何でもまずすぎた。
結果があのざまです。
今後たがが外れて、あのようなやり方が横行する検察なら、それはまた、恐ろしい話です。

今後、選挙を待たずして、政治の顔ぶれががらりと変わるかもしれません。
私は最近感じるのは、やっぱり日本国の運営は官僚が主体なのだな、という思いです。
やっぱり、力を持ち続けていくのは、官僚。
最近の自民党政権は、あからさまに官を立て、民をないがしろにしている。
これが、未来を見据えてのことか、保身のためか、正直私には判断できない。
政治家と官僚のゴタゴタは、結局は勢力図が書き換わるだけなのです。
今後、この時勢にあっては、本当に日本の構造には改革が必要かもしれません。

経済のあり方も、大きく変化せざるを得ないはず。
これまでのようにインバウンドに頼るわけにはいかない。
投資会社は壊滅的です。
中国経済は肥大化した自らを持て余し、アメリカは選挙次第で不透明。
今後政治は、下支えの分野を選ぶ作業に入っていくのではないでしょうか。
業績の上昇が認められる部分に、てこ入れする方向に転換せざるを得ない。
日本の失業率はまだ低い。
しかし、それだけ変われないということでもあるはずです。
既存の企業は、長く赤字体質を変えられないかもしれない。
低い失業率を支えているのが、多くの非正規雇用者であるということも忘れてはならない。
経済格差は広がっていくかもしれません。
気が重くなるのは、そういった状況に当たり、政治に何ら期待できないかもしれないということです。

安倍総理

もう、安倍さんもいいでしょう。
お疲れ様でした。
新型コロナへは、とりあえず収束の方向に向かっている。
政権の対応は、よかった面もあれば、お粗末なところもあった。
検証は必要でしょうが、私はあまり興味はない。
是も非も、教訓として未来に生かせばよい。
また、流行は起こるかもしれないが、対応は繰り返しです。
ワクチンのタイミング次第で、なるようにしかならない。
後は、経済対策、各業界への補填のあり方ですが、これは安倍内閣でなくてもいい。
いや、安倍内閣じゃない方がいい。
オリンピック開催は不透明。
東京開催が予定通り行われたとしても、安倍さんは必要ない。
安倍さんの悲願である憲法改革への道筋も、それどころじゃなくなった。
これ以上しがみつかず、次の政権に託すが賢いでしょう。
ここで、日本が二大政党制にないのが、実に残念。
安倍さんに退いてもらって、やっぱり自民党政権が保守とリベラレルの両面をバランスを取りながら、国政の舵取りせざるを得ない。
いつまでも同じような繰り返し。

野党は相も変わらず、くだらない批判の繰り返し。
どうも今回は、一部芸能人などの後押しを受けて、少しは威勢が良さそうです。
ただ、弱い。
安倍さんは嘘をつく人だから、辞めてほしい、みたいな風潮を感じられる。
私は、少々あきれる気持ちになる。
ほとんどの人は嘘をつきますよ。
保身のため、組織のため、大義のため、ありとあらゆる場面で、都合のいいように解釈し、頭の中で改ざんし、嘘をつく。
私もそうです。
政治家など、誰かが言ったように、まさに息をするように嘘をつく人々でしょう。
小沢さん、あなたはよく知っているはずです。
安倍さんの嘘は驚くほどに、稚拙です。
子どもの言い訳のように、ごまかしの答弁をします。
誰もが納得できないことを、当然のように推し進め、反対する意見を嘘でごまかし、かき消してきた。
自民党内で、認められ、許されたからです。
お友達を大事にし、その一方で邪魔は容赦なく切り捨てる。
森友、加計(この加計学園の創立者は岸信介と妾の間に生まれた子らしいから、加計と安倍は実は近い親戚で、関係は切れないか(笑))、黒川、……
切られたり、切られたようでつながっていたり、他にも影でしっかり手を組んで暗躍している輩がたくさんいたり……
まあ、だいぶ表面化してきたし、自民党内でもそろそろという意見が増えてきているようです。
と、いうことで交代でしょう。
現代日本に、実は世論はあんまり関係ない。
交代しても、複雑に絡み合って結びついた人脈は変わらない。
明治維新以降続いてきた闇だから、そう簡単には変わらないか。

ただ、世の中は、思わぬ形で変わらざるを得ない状況になっている。
ここで、適応できない者は淘汰されざるを得ないでしょう。
政治でも同じではないでしょうか。
もしかしたら、政治も、変える機会かもしれない、と思うのは私だけだろうか。

全体主義体制

見えない敵に対して勝利するために、全体主義体制となった世界。
そろそろ、次のステージを見据えた方がいいのかもしれません。
「欲しがりません、勝つまでは」と、誰もが必死に耐えています。
しかし、次第に緩みが出てくる頃でもあります。
ちょっとくらいならいいだろう。息抜きも必要だ。
何かと理由を作り、動きを始める人が出てくる。
サービス業は、喜んでそういった人を受け入れるでしょう。
私たちも、生きていくために仕方ない、と考えて。
でも、それを許さない人も出てくる。
やがてレイシストの台頭。
そしてデマゴーギー、ポピュリズムが浸透し始め……。
歴史を繰り返してはいけない。
国民の気持ちも疲弊しています。
不満を誹謗、中傷へ転化し、攻撃の対象を探し始めます。
そのとき、政治はどう動くのか。

今回、経済的被害を受けているのは、サービス業。
飲食、交通、宿泊は壊滅的です。
国や自治体からの援助を期待し、今はじっと我慢して、乗り切ろうと考えている人も多いかもしれない。
しかし、いかに強大な国家でも支えきれるでしょうか。
今回、この戦いには明確な終わりが見える気がしない。
たとえ、新型コロナウイルスからの脅威が消えたとしても、いつ何時新たなウイルスが発生しないとも限らない。
私たちは、人との接触、大人数での移動や会合、接待を伴う飲食、こういった行為の危険性が刷り込まれてしまったのではないでしょうか。
果たして、元のような生活に戻れるのか。
もはや、レジャーや外食という行為はリスクを伴うものだという意識が生まれてしまったかもしれません。
もしかしたら、不特定多数の人が集まる場での飲食が社会悪と認識されてしまう。
これまで私たちの生活で普通に行われてきた娯楽が、まるで人目を忍んで行われる性風俗産業のようになる可能性もあるのです。

もう、社会の仕組みそのものが変わっていくのかもしれません。
あらゆるサービスの形態が変わらざるを得ないかもしれない。
果たして時代の変化に、誰がついてこれるのか。
もしかしたら、産業革命波の急激な変化が今後起こるのかもしれない、という気もしています。
今後、どういう変化があるにせよ、繁栄する者と淘汰される者が出てきます。
これまで政府は、専門家の意見に従う形で、方向性を決めてきました。
右往左往し、後手に後手に。
しかし、この先は、政治が主導しなければいけない。
正義を振りかざす者、ひたすらパンドラの箱を開けようとする者が出てくる。
流されずに、本当に国の将来、国民の生活のための施政を実行できるのか。
日本の政治の真価が問われるときが来ている気がします。