ロシア

私たちが日ごろ接しているメディアには、気をつけなけれいけないなと、つくづく思う。
テレビや新聞は、情報が不足するのだ。
マスメディアは、社会の現実を伝える重要な役割を担っているものだと思う。
しかし、私たちが接しているメディアは、テレビが代表格であるが、圧倒的に量に乏しく、内容が偏っている。
スポンサーに利益を還元しなければ存在することができないのだから仕方ないことだ。
人が好むニュースを、好まれる形で報道しなければならないし、いかに重要なソースでも、一般の人が見たくないと思う情報は出せない。
スポーンサーの不利益につながる報道などもってのほかであろう。
これが、いかに危険なことか、私たちは自覚しなければいけないな、と最近はつくづく思うのだ。

スポーツの話題は楽しい。
良いことだと思う。
芸能の話題も害なくていい。
しかし、私たちは良いものだけ見ていていいのか。

私は今後、ウクライナ情勢に対する報道は徐々に少なくなり、人々の心から薄れていくかもしれないと思っている。
戦争が長期化するにつれ、世界も慣れてしまう。
世界が関心をなくしたら、当事国はどうすればいいのか。
世界の今後を左右する紛争が続いているということを忘れてはならない。
紛争による経済の不安定は、私たちの生活にも影響を与えている。
長引く勝負は、人の心を飽きさせ、勝敗への興味を失わせるかもしれない。
何でもいいから早く終わらせてくれと。
そして、どちらかが、膠着した状況を打開するために思わぬ行動に出るかもしれない。
ロシアは世界から孤立し、影響を弱めていくのだろうか。
実はロシアの友好国は増加しているのだ。
アフリカではロシアを支持する国は多い。
彼らにはヨーロッパによる支配に苦しめられた歴史がある。
その歴史の中で、欧米に立ち向かった反政府組織を、ロシアや中国は支援していたのだ。
支配から解放されて、ロシアや中国に感謝している国は意外と多いのだ。
そして、こういった途上国は、今後、影響力を高めていくだろう。
この先、ウクライナにはこれまで以上の支援が必要と思われる。
民主主義のデメリットが顕在化すれば、世界のバランスを変えるかもしれないのだ。

私たちは世界の動きを監視しなければいけない。
間違った方向に進んでいないか。
一部の既得権益者が都合よく誘導しようとしていないか。
真実を見せているとは限らないのだ。
いつも、世界のどこかで紛争が起こり、続いている。
「愛の敵は憎しみではない、無関心だ」
という言葉がある。
関心を持ち、考えることはとても重要だと思う。

リーマンブラザーズ

悪いシナリオを考える癖がついている。
ネガティブ思考はよくないのかもしれないが、リスクを予想し、備えるためには必要なことだと思う。
最近は特に、悪いことばかり考えてしまう。

まず、日銀総裁が10年ぶりに交代した。
黒田前総裁は、徹底した金融緩和を続けてきた。
これはある程度評価できるものだと思う。
デフレからの脱却は実現した。
しかし、あまりに緩和路線にこだわりすぎたのではないかと思う。
デメリットもあったのだ。
彼は、まったく自身が残した負の遺産に目を止めることなく去っていった。

今後、植田新総裁は、良いものは残し、悪いものはやめる、という当たり前の政策を行っていくだろう。
膨れ上がった国債の処理もある。
おそらく金利は上がるだろう。
金利が上がれば、物が売れなくなる。
住宅などの大きな買い物が控えられる。
しかし、不動産業は売りたい、金融機関はお金を貸して金利で稼ぎたい。
歴史は繰り返されるものだし、人は喉元を過ぎれば熱さを忘れるものだ。
リーマンブラザーズのようなことが日本で繰り返されるかもしれない。
需要と供給のバランスが大きく崩れたら破綻が起こる。
いったん崩れたら、ドミノが起こる。
資金調達に困難をきたせば、企業は脆いのだ。
次々に経営破綻し、経済危機は世界的に波及していくかもしれない。
いまだコロナは終息には至らず、先行きは不透明だ。
恐る恐るで、事業を進める企業は多いだろう。
しかし前に進まなければ生き残れない。
やみくもに進めば突然足元が崩れる危険性をはらむのが今の経済なのだ。

今後、望まれるのはバランスだと思う。
これまでの政策では、デフレを避け、緩やかなインフレを目指した。
物価が上がっても、賃金を上昇させることができず、国民生活は困窮しつつある。
これを金利を下げ続けることでごまかしてきたのだ。
そして国は、国債を増やし、お金をばらまいた。
これは道路や公共施設の建設に変換された。
コロナ対策、経済対策では物資に変換された。
この政策により、これらに関係した業種は潤ったのである。
しかし、そこまでで、その効果は断ち切られているのだ。
国民の生活は変わっていない。
この、限られた領域でお金を回す悪循環を変えない限り、格差は広がり、国民生活はよくならないし、不満は解消されないだろう。

今後果たして、インフレの中でも、同時進行で賃金も上がり、消費が行われ、経済成長を続けられる。
国政の恩恵はバランスよく国民全体にいきわたる。
少子高齢化の進むなか、一人当たりの大増税を受け入れ、膨れ上がった国の借金を返済していける。
そんな日本を作っていけるだろうか。
できなければ未来はない。
私は今、書きながら、寒気がしてきたのである。0

アメリカ経済

アメリカ経済が不安定かもしれない。
3月にシリコンバレーバンクの一つが経営破綻した。
こんなに銀行は脆いのか。
と驚いている。
もちろん経営がまずかったのだと思う。
これは国が金利を上げた結果によるものだ。
銀行が資金調達に債権を運用していたが、金利の上昇により債権の価値が下がり、結果破綻したというものだ。
しかし常識として、債権の価値は上下するものだ。
そのリスクに備えていなかったということが驚きなのだ。
もちろんすべての銀行がそうではあるまいし、国も目を光らせているはずなのだが、こういうことが起こってしまう。
アメリカの経済は好調であり、それを踏まえて金利を上げてきた。
だからドル高になり円安が続いていたのだ。
今回のようなことが起こると、本当にアメリカの景気はいいの?金利は上がっていくの?ドルの価値は大丈夫なの?
あらゆる不安が市場に広まっていき、思わぬ為替の混乱が起きるかもしれない。
事実、今回の銀行破綻により、一時的にドル安円高が進んだのだ。
そして、アメリカのインフレは進みすぎている。
消費の停滞、株価の下落が今後、現れてくるのではないだろうか。
アメリカ経済が停滞すれば、日本の輸出も停滞する。
日本の景気も落ち込む。
景気は循環するものなのだ。
いいときがあれば、悪いときがある。
順応した者が生き残っていくし、大きな落ち込みで打撃を受けた後には、必ず新しいビジネススタイルが生まれ市場を変えていく。
現代社会においては、最善と思われる手法は、すぐに古いやり方となり、最先端で活躍した人が取り残されていく。
変わる能力を持たない者は、生き残れないのだ。
アメリカのシリコンバレーの銀行といえど、リスクを飼いならすことに失敗して、あっけなく破綻するのだ。
現代社会に生きる我々の、誰もが他人ごとではないのだと思う。
今後の社会の予想というのは、ある程度できるのだ。
日本の人口は減少し、高齢者の割合が増える。
人口が減る、ということの意味をもう少し掘り下げた方がいいだろう。
地方では、家が余る、土地が余る。
税収も減って地方行政は滞る。
今後は金利も上がっていくだろう。
高齢者の増加で医療費は増える。
景気は低迷したまま、国民が負担すべき社会保険料、税金は増えていくだろう。
人口が減れば需要も減る。
私たち国民は、自身のこととして、未来を真剣に考えていかなければ、日本の未来は危ういと思う。