日本という国

常にのことであるが、日本という弱い島国は、国内外の問題にさらされ続けている。
資源も持たず、立憲君主制下で明確なリーダを持ち得ない、軍隊も持たないので米軍の庇護下でなければ生きていけない。
政治的に米国と、経済的に中国と、それぞれ親密にしてきた関係は今後どうなっていくのだろうか。
ロシアの財政危機はそろそろ限界を迎えるのではないだろうか。
極端な財政赤字を打ち出しているロシア経済。
財政赤字は、アメリカをはじめ先進各国の日常であり、国債の発行でどうにでもなるものであるが、ロシアの国債を今、誰が買うであろうか。
今後戦争が長引けば、国民には物資が配給制になるかもしれない。
独裁国家だから、国民の動員に踏み切って、少しは生きながらえるかもしれない。
しかし、限界はあるし、長い将来にわたる負の遺産を作り上げることになるだろう。
かつて、世界を2分した超大国の凋落には、本当に考えさせられる。
今後、ウクライナへの支援は継続されていくだろう。
対してロシアの踏ん張りには限界がるのではないだろうか。
私には道は二つしかないと思う。
ロシアの撤退。
戦争継続で限界を超えたロシアの解体。
単にプーチンの失脚だけでは戦争は終わらないと思う。
戦争継続の意思は国内に根強くある。
為政者が、帰還不能点に気づかない事例は、歴史が数多く証明している。
世界は、大量の核を保有する元大国の分裂と混乱に備えるべきだと思う。

岸田総理は、ウクライナを電撃訪問した。
改めて、西側の連帯とロシアへの決別を表明するものだと思う。
注目したいのは、インド訪問を終えたその足でウクライナを訪れたこと。
ロシアとインドは友好関係が続いている。
インドは世界最大の民主主義国家でありながら、ロシアと親密な関係を続けてきた。
これはインドと国境を接する、中国、パキスタンとの衝突を避けるためにロシアに頼ってきたものだ。
しかし、今後インドが人口1位、GDP3位の位置につくことは確実であり、世界のリーダーの一角を担うことになるだろう。
インドの立ち位置が勢力を左右するのだ。
今後、日本はインドとどれだけの信頼関係を築けるのかが重要だと思う。
アジアの代表国として、西側協調の中心となり、中国への抑止力を強めながらも、依然続く中国中心の経済を回していく。
難しいかじ取りを迫られている。
相変わらず文書捏造などと騒いで、国会を空転させている余裕はないと思うのだが、どうであろうか。

米中関係

米中関係が不安定なのは、従来通りだが、今後関係悪化が進むと予測する専門家は多い。
中国の勢力が増大し、米国に匹敵するものとなっている。
米中が世界を2分する勢力であることは事実だろう。
なぜこれだけ中国は巨大になれたのか。
一党独裁政権という盤石の政治基盤の元、資本主義経済を導入したことが成功の理由だろう。
そして、それを後押ししたのは我々資本主義国なのだ。
天安門事件を非難しながらも、鄧小平と深く手を結んだ結果なのだ。
今、この資本主義国は、この欺瞞のツケを払わされる日が来ているのではないだろうか。
独裁体制の下では、国の進む方向が正しかろうが間違っていようが、国内にそれを止める力はない。
まして中国は、経済の発展と共に強大な軍事力を手に入れている。
国の内外において、正す力というものが存在しないのだ。

今後中国の経済は行き詰まり、国内に不満が膨れていく。
少数民族との問題もある、経済格差も広がっていく。
打開するために、一つの中国を目指し、台湾に手を付ける日は遠くないのかもしれない。
過去においては、中国共産党と中国国民党は対等に争える関係であった。
しかし現在、力の差は歴然である。
中国に遠慮して、台湾と国交を控える国は多くある。
これまで、台湾は独立したいが、すれば中国から潰される。
だからできなかった。
しかし、今後、そういう台湾の姿勢にかかわらず武力による統一が現実のものとなるのかもしれない。

コロナ過というのは、一つのチャンスだったのかもしれない。
世界を襲う未知のウイルスに大国は、もっと率先して協力し、立ち向かうべきだったのではないだろうか。
現実には米中は相手の非難に明け暮れた。
世界を襲うと予想される脅威はウイルスだけではない。
災害やテロに対して、その対応を各国はどれだけ連携が取れるのか。
期待できない。

今後、日本はどうするのか?
日本の輸出先として、アメリカと中国で40%を占めている。
それに韓国、台湾、香港を加えると60%に達するのだ。
もし、米中関係が一線を越えたら、日本経済は破壊的なダメージを受けるだろう。
米中ともに馬鹿ではない。
しかし、日本はいい加減平和ボケから脱却して自立する道を探るべきだろう。
今後、日本はリーダーシップを取り、アジア太平洋地域の平和的共存システムを構築しなければならない。

できるのか?
どう考えても、できる光景が目に浮かばず、気分が下がるのは私だけであろうか。

ウクライナ情勢

ウクライナ情勢が世界の経済に大きな影響を与えているのは事実だ。
戦闘が長引くほど、その影響は深刻となっていく。
そろそろ解決の糸口を見つけなければ、世界が疲弊していく。
この戦争はやはり、プーチンが読み間違えたことに原因があるのだろう。
ウクライナを短期間で降伏させられるだろうとの見方があったのだろう。
クリミアのようにうまくいくと考えたのだろうか。
現実には東西各国を巻き込む泥沼の紛争へと発展した。
この戦争は終わらない。
なぜなら、どちらサイドへも支援が行われる限り、決定的な勝利はあり得ないのだ。
今後ウクライナへは欧米の兵器が供給され続ける。
ロシアの撤退のシナリオが描かれるだろう。
しかし、ロシア国内のナショナリズムはそれを簡単には許さないだろう。

ここでもやはり、カギを握るのは中国かもしれない。
ロシアへの支援を行っているのは中国だ。
これがストップすれば侵攻は続けられない。
中国としても、ロシアを支援し続けるメリットは大きくはない。
社会主義のプライドにかけて、行われているのが事実だろう。
いかに大国ロシアでも資金と兵力が枯渇すれば、戦争は続けられない。
プーチン政権は終わりを告げ、ロシアは混乱するかもしれない。
経済制裁を受け、中国の支援でのみ生きながらえているロシアが崩壊する可能性もあるのだ。

戦争は早く終わらせなければならない。
しかし、その結果パワーバランスが崩れることは避けたほうがいいのではないだろうか。
望まれぬまま東西それぞれが結束する結果となったこのウクライナ情勢は、落としどころを間違えれば、経済や安全保障の面で、今以上の混乱をもたらす危険を秘めている。
欧米と日本はこの難局に真剣に取り組むべきだ。
しかし、アメリカは中国との関係を悪化させ続けている。
ロシアへの支援を辞めさせるため中国への経済制裁を強化していくだろう。
アジアの平和を守るため、日本や韓国に課せられた責任は大きいのだ。

今後、ロシアとそれに付き合う中国は衰退への道をたどるかもしれない。
というより、先進国は衰退していくのだ。
中国を含め、人口は減少し、GDPは低下していく。
反して、インドやアフリカ諸国は、世界の舞台に台頭していくだろう。
インドの今後は世界の進む方向を左右するかもしれない。
その人口は中国を抜き、世界一位となる。
今でこそインドは中国、ロシアと協力的な関係にあるが、今後は分からない。

私は、大げさではなく、今後日本は世界の中心となっていくのではないかと考えている。
米中が世界経済の中心であった時代は、徐々に収束に向かっていく。
アジアとアフリカへ市場が移行していく中で、世界の各国が協力したい国として、日本は筆頭だと思うからだ。
今後の外交はとてつもなく重要なのだ。
アメリカや中国の顔色を伺いながら動いていてはいけない。
もっと、早く、日本の発言力を強化してもらいたい。