衆議院選挙

今が大事。
先のことにはどうしても興味がいかない日本国民は、10月21日が衆議院の任期満了ということをどの程度認識しているだろう。
40日以内に総選挙を行わなければいけないということになっているので、11月下旬投票がリミットとなる。
解散のタイミングを決めるのは総理大臣の特権だが、こうも先行きが見えないと頭が痛いだろう。
9月5日がパラリンピックの閉会予定。
おそらくオリンピックの閉会8月8日を過ぎた時点である程度五輪祭り熱は冷める傾向にいく。
ここから、表立った動きが始まるだろう。
9月5日以降に、選挙の日程が決まるだろう。
どの程度の人が理解しているかわからないが、日本を動かしている永田町、霞が関の人々にとって、衆院選というのは、最大かつ最優先のイベントである。
この結果を出すためには、黒を白とし、縦のものを横に動かす。
以前より、ここに向けての関心は強まっているだろう。
もはや、オリンピックの成果も、新型コロナ対応も、衆院選へ向けての駒でしかない。
私は、今、沈黙を守っている人たちが、やはり賢いのかな、という気がしている。
あまりにも先が見えないコロナ過である。
国民生活がこの先、どう浮かぼうが、転ぼうが、全面的にうまくいくことはないだろう。
この責任はだれかに押し付けなくてはいけない。
今、政治家が避けなければいけないのは、下手なアクションを起こし、それが先々悪手だったとなることだろう。
まあ、せいぜい大人しくしていればいいでしょう。
甚だしい後出しジャンケンを見破る準備をしておかなければいけません。

衆院選前哨戦とも言える、先の都議選では、自民党は、どちらかと言えば、負けでしょう。
では、野党が勝ったのかと言えば、野党は大負けでしょう。
勝者はいなかった。
では、誰が笑ったのか。
小池都知事一人です。
どこまでが計算された立ち回りだったのかはわからない。
新型コロナへの対応に徹するという姿勢で都議選にはからまず、激務による疲労により入院。
それが、投票日2日前になって突如我が党である都民ファーストへの応援を敢行。
健康不良を押して懇願の姿。
これが都議選の結果を大きく動かしました。

この人にしかできない、以前から際立っていた選挙センスがもたらしたものでしょう。
これは他の人にはまねできない。
だから怖い。
オリンピックの結果、新型コロナの影響次第で、これから戦局はコロコロと変わるかもしれない。
私たちが気を付けるべきは、このどさくさの中で、確たるヴィジョンもない、才なき者が急に力を持ってしまうことだろう。
機を見るに敏であることは、政治家にとって重要なことであろう。
しかし、立ち回りだけがうまい者に国政を任せることだけは避けたいと思う次第である。

新型コロナと五輪

私がこれを書いているのは、東京五輪が始まって間もなく、新型コロナの感染者数が急速な右上がり傾向を見せている時期。
今後どうなるかは、わからないが、おそらく五輪は最後まで開催されるだろう。
アスリートの活躍を見せられ、特に日本選手のメダル獲得も好調で、これまで五輪開催に異を唱えていた勢力はやや沈静化している。
面白いのは、臆面もなく手のひら返しをする人たち。
もとよりミーハーなタレント、コメンテーターなどはまだしも、野党系政治家まで「金メダルおめでとう」と囃し立てるのには失笑しかない。
本来、無観客で人の集中や移動を断ち、映像配信特化でイベントを開催することに、感染症拡大の懸念はないはず。
この開催の決断自体は評価できるだろう。
しかし五輪の盛り上がりとともに、一部の低能者が浮かれて、社会に迷惑をかける行為が増えていくのだろう。
それまでも、行政や国政機関が責任を問われるのは、いささか酷だなという気もしないでもない。
私は元々、新型コロナの影響に関係なく東京五輪の開催に反対する立場だった。
しかし、やるとなるなら、良い結果を残してもらいたいと思う。
滞りなく進み、多くの人が満足し、海外選手や関係者皆、無事に帰国してもらいたい。
明確な根拠もなく、感染者の増加を五輪のせいにして、中止を求める声には辟易する。
また、国の面子や海外の評価などを最大の懸念として議論するのもレベルが低い。
ただ、多くの人が、冷静に考え判断する姿勢を持ってもらいたい。

ここしばらくの状況を見ながら、今我々は、多くのことを学ぶ機会ではないかという気がしている。
感染者はおそらく増え続けていくだろう。
緊急事態宣言、蔓延防止対策、政府が打って出るであろう措置は、おそらくもう成果はあまり望めない。
強制力を持たない手段は、受け止める側の都合で、簡単に瓦解する。
私は、外国の状況をそのまま日本に当てはめて、予測に使うのは間違っているのではないかという気がしている。
不謹慎かもしれないが、今後、増加した感染者、重症者の推移、医療体制のひっ迫度、疲弊した業種が与える経済への影響。
これらが、日本に何をもたらすのかを確かめるよい機会になるのではないだろうか。
果たして、これまで専門家や、(疑わしい)信念で発言を行ってきた政治家たちの主張はどこまで真に寄っていたのか、判断できそうな気がする。
2年以上も戦い続けてきた未知のウイルスとの戦いも、さすがに終盤に近付いているだろう。
ディフェンスかオフェンスか、それとも違う道か、結局人間の本能が何を選ぶのか、怒られるかもしれないが、私は楽しみでもある。
日本の弱い政治力では、国民の感情や行動を制限、誘導するのは限界がある。
そろそろ、制御が利かなくなる。
ただ、どういう手を打ち続けるのだろうか、というのも興味をそそられる。
安部政権では、愚策とも思える手もあったが、手数はあったとおもう。
これまで菅政権にはそれがない。
手を打たぬというのも、一つの策であろうから、意図的であればそれもよい。
のちに検証されるだろう。
評価の時期は近づいている。
今、誰が何をするのか、注意深く見ていきたい。

安倍政権

そろそろしっかりした検証をする時期ではないだろうか。

しっかりと検証すべき課題が二つあると思っている。

一つは安倍政権の評価。

もう一つは、まだ過程ではあるが、新型コロナにおける対応。

 

まず安倍政権。

批判噴出しながらも長く続いた。

私は、よくやった方だよな、と思う。

トランプ政権に振り回されつつつつ、身内の不祥事に悩まされもした。

コロナ過でも行動し続けた。

自らも、周りも、膿を垂れ流しつつも、出し切ろうとせず、汚し汚されながらも、褒められる政策もあった。

政治の世界に白いものはない。

真っ黒なものも時にあるが、それはさすがに潰される。

あとはただ、果てしなく灰色が続いている世界だと思う。

アベノミクス、官邸支配、消費増税法人減税、ろくでもないがよくやった。

公文書改ざん、不正の疑惑の数々、よくこれであれだけ続いたものだ。

公正明大とは、程遠い。

しかし、ふがいない野党に助けられての長期政権。

私は、国民が反省すべきだと思う。

こんな政権は長く続けさせてはいけなかった。

内政、外交は比較的評価できると思う。その良い面だけは継承しつつ、丁寧に説明し、真摯に国民の側に立つ政治家に、もっと早くに交代してほしかった。

安倍さんの急な退陣により、菅総理を柱とした、何も継承できず、判断も実行もできない政権に移行してしまった。

 

もう一つ、新型コロナにかかわる対策について。

そろそろ見えてきたのではないだろうか。

まだ途中ではあるが、これだけの悲惨な現状をもたらした、原因をそろそろ追究してもよいのではないだろうか。

問題は、当初、皆で日常生活を制限し、我慢すれば元の生活が戻ってくると国民に信じ込ませたことにあると思う。

2年間、我慢を重ね、いまだ悪化している。

確かに政治はふがいなかった。

しかし、すべてを政治に責任を負わせるのはさすがに酷だと思う。

そもそも、日本の感染状況は、どれほど憂慮すべきものなのか?

客観的なデータによって、検証すべき時期は来ていると思う。

私は、批判されるべきは、医療の専門家とメディアだと思っている。

まだ、はっきりしたことは言えない。

しかし、全国8割を占める民間病院が、どれほどひっ迫し、困窮したか、とても疑問なのである。

私の知っている病院は、発熱患者を極力受け入れなかった。

そして、補助金だけはしっかり持っていった。

こういう状況を後押ししたのは、医師会という、なんとも掴めない団体のような気がするのは私だけだろうか。

不安をあおり、今の状況にリードしていったのは、間違いなくメディアである。

タレント化した医師などは、連日テレビなどへ露出して、それなりの報酬を得ていた者も多くいそうではないか。

ここぞとばかりに声を上げ、目立っていたタレントMCのせいで、人生が積んでしまった人も少なくない気がするのだが。

どれだけ正しかったのか、本当にそれでよかったのか、誰が冷静に判断してくれるのか、とにかくこれを待ちたい。

もし、誰かが間違っていたのなら、責任を取ってもらわなければいけない。

知らなかった、わからなかった、では通らないというのは、社会の常識なのだから。