民主主義

民主主義が崩壊しかけていると感じる人は多いだろう。
昨今の政界情勢は、いかにもプーチンや習近平、金正恩のような社会主義独裁者が民主主義を脅かすという図式と捉えがちだが、そう単純ではないように思える。
自由な選挙によって指導者が選ばれ、権力の濫用を許さず、議論を経て意思決定がなされる民主主義がいかに脆く、我々民主主義国においても、独裁者が台頭しえることを感じさせるのだ。

巨大な企業や組織は、巧みな手法で国民の生活を監視し、その意識を操作する。
ビッグデータとAIは、人心を扇動する重要なツールなのだ。
その大きな力をバックグラウンドとした政治家は資金力を武器として、支持者を優遇し反対勢力を抑圧しながら支持を広げていく。
いつしか大きな権力を手に入れる。
現代の侵略はこのプロセスを踏むのだと考えられる。
思えば、長州閥と呼ばれる人脈により、政権を動かしてきた日本の政治も似通っているではないか。
水面下で深く複雑に結びついた政治と怪しげな団体。
これはカルト集団の構造と同じではないのだろうか。
経済界や銀行、マスコミや教育界にまで、その組織の人間は、工作員のごとく侵入し、情報操作を行い、国民意識を左右する。
韓国で、繰り返し流行する反米、反日という気運など、まさにこれであろう。
高度な手法ではないにせよ、それなりに人心をそらし成果を上げている。
他にこうげきすべきそんざいをよういしておけば、中枢は安泰でいられるのだ。
こんな小さな我々が気付かない、策動は存在する。
そうやって、時間をかけて積み上げた権力は、いつしか個人の手に移り、その人物は巨大な営利団体の支持により支えられ、国を動かす。
これを民主主義国家で実現させたのがトランプ元大統領ではなかったのだろうか。
しかし、道半ばで挫折した。
やはり、民主主義世界ではこのタイプのリーダーは存在しえないのだろうか。
こんなリーダーが必要だとは言わないが、元より世の中の善悪など曖昧なものである。
黒いものも白いものの存在しえない、ひたすら灰色の染まる現世界で、圧倒的な指導者として君臨しているのは、社会主義勢力のリーダーなのだ。
それでも民主主義が崇高なものだと信じたい。
しかし、その存在価値が揺らぎかけているのも事実であろう。
我々は、過去の教訓から、国民主権によって国の進む方向性は国民の意思により決めるべきだと定めたのだ。
それをひっそりと覆そうという動きが目立ってきてはいないだろうか。
一握りの権力者とその周辺の者が謳歌する世の中であってはならない。
だから、我々にも民主主義に支えられた新しいリーダーが必要なのではないだろうか。
この混沌の世界の中で、早くその存在を見たいと願っている。

安部元首相殺害

安部元首相殺害の件について、特に言うつもりはない。
残念であり、犯罪に対しては厳しく罰せられるべきだし、再発を防ぐ措置が必要であろう。
ここで、クローズアップされるのは、旧統一教会である。
政治家と宗教法人の結びつきというものをしっかり考える機会とするべきだと思う。
私個人は、政治と金、については考えは甘いほうだろうかと思っている。
政治活動にはお金がかかるものだと知っているからだ。
金次第というのはどこの世界でも一緒なのだ。
そういう社会が問題なのだと言われれば、そうであるが、そう簡単に変えられるものではない。
政治家の先生方は、選挙に勝てなければ始まらないし、選挙には金がかかる。
どうしても、政治と金は結び付く。
少しずつでも変わってくれればとは思う。

政治と金の関係がある程度容認せざるを得ないとしても、歯止めは必要なのだ。
法律では、政治家個人への献金は禁止されている。
しかし、その個人の後援会や資金管理団体へ献金するなら認められる。
ただ迂回させれば特定の先生へ見返りを期待してお金を送れるのだ。
そして、集まったお金は組織活動費として処理され、それ以上の報告義務はないのだ。
集められた政治家個人が何に使おうが見えてこない。
2019年の記録では、自民、国民民主、日本維新、社民、れいわの5党で、この使い道のわからないお金が計22億円となっている。
与野党関係なく、資金供与を受けているのだ。
なんで、国会で追及などできようか。

政治活動へ献金することは、社会貢献であるという考え方は確かにあると思う。
しかし、何の見返りも求めず、何故政治団体に献金をする。
社会貢献のためであれば、他にお金の使い道はたくさんあるのである。

今回、旧統一教会と関係を持つ議員が浮かんできている。
そのことについても、メディアの扱いは低浮上にすぎる。
カルト教団の定義は難しいが、いろいろと問題視される団体ではないか。
何らかの形で政治家と結びついている。
恐ろしいことではないか。
追及されれば、政治家は、「政治資金規正法に従い適正に処理し、その収支を報告している」「支援もないし応援もされたことはない」で終わらせようとする。
政策に賛同してもらったから、お金をもらってるんで、それの何が悪い、という考え方であろうか。
旧統一教会だけではない。
5万円以下であれば、記載の必要のない献金のルールである。
会員などを抱える胡散臭い組織には、最高に簡単な抜け道ではないか。

政治と金の結びつきは、ある程度諦めねばならぬ問題でもある。
しかし、社会に悪影響を及ぼす団体との結びつきは断固絶たねばならない。
私の考えであり、当たり前のことだと思う。

もっと、明確に収支の見える仕組みづくりは必要だろう。
しかし、それを立法化するのは、それをさせたくない議員である。
この機会に、市民レベルの取り組みとして、この問題をどうにかできないであろうか。

世界の混乱

近年の世界の混乱は、異常かもしれない。
情勢を判断、予測するうえで、歴史を振り返るということは重要だと思っている。
日本にとって、最大の悲劇の一つに太平洋戦争が数えられるのは間違いないだろう。
戦争へ至る道の過程で、多くの混乱があった。
この、戦前の混乱が、今の日本の状況と似ていることを指摘する人は少なからずいる。
もちろん、すぐに日本が軍事化を進め、戦争へ向かうということはないだろう。
しかし、混乱は国民にとって良い影響は与えず、さらなる混乱、困窮、不満、反体制という道をたどりがちなのである。
戦前、日本は、第一次世界大戦、関東大震災、世界恐慌、度重なる混乱は経済にダメージを与えられた。
第一次大戦のあと、ヨーロッパでは急速に景気は回復し、日本は大きく後れを取った。
いつの時代も欧米は強いのだ。
まして今、日本はアメリカの属国的存在である。
現代、新型コロナウイルス、ウクライナ紛争、東西の経済制裁の打ち合い、原材料不足によりほとんどの品目が急速な値上がりを続けている。
グローバルサプライチェーンの世界にあっては、全体的に悪化することは避けられない。
しかし、強国から回復していくのだ。
弱い者は、さらに弱い者を踏み台にして遅れながら回復する。。
そして、虐げられた者は、どうしようもなく、逆転のための行動に出る。
今後どう動いていくかわからない国際情勢であり、特に日本は景気の先行きがかなり厳しい。
今の状況が未来の深刻な危機の遠因となるかもしれないのだ。

日銀はかたくなに、金利の引き上げを否定し続けている。
膨大に膨れ上がった国債は金利の引き上げを受ければ、利払いは財政を大きく圧迫するからではないのだろうか。
今後、外国の投資家は日本国債を売る行動が加速するかもしれない。
日本という国が、じわじわと沈んでいく光景が、ちらちらと頭をよぎるのは私だけなのだろうか。

日本にとって今、外交と景気対策は、最重要課題なのだ。
どこまで国民が、政治家が、それを理解しているのかまさに疑問である。
影響力が大きかった元総理とはいえ、一個人の国葬の是非を議論している余裕はないと思うのだが、いかがであろうか。

とは言え、これまで何となく避けてきた、宗教法人について知識を深める良い機会になればいいと思っている。
宗教は怪しい、ではいけないことは誰にでもわかるだろう。
しかし、怪しい側面が多大にあるのだ。
憲法が保障する信教の自由・政教分離原則というものがある。
本来、政治と宗教が結びついてはいけないのだ。
規制が必要だろう。
金銭の搾取、洗脳などの行為を行う宗教団体は悪であり、こういう団体は解体すべきであるし、それと結びついている政治団体も同様であろう。
政教分離を徹底する。
本気で進めてもらいたいと思うのである。