アメリカ総選挙

早いもので、もう来年にはアメリカの大統領選挙が行われる。
日本では、衆議院の解散総選挙が噂されだした。
政治は常に流動的で、何かのきっかけで保守と改革とに振れがちだ。
タイミング次第では小さな出来事から始まり、やがて大きなうねりとなり、世界を揺るがすことになる。
このままいけば、来年また、バイデンとトランプの一騎打ちとなるのだろう。
この大統領選を見るに、アメリカの衰退を感じるのは私だけであろうか。
バイデン氏は、来年82歳、個人差はあろうが、精神的体力的な衰えはあるだろう。
それから4年間、世界一の大国のかじ取りを任せるのか。
対するトランプ氏は熱狂的な支持者に支えられるも、スキャンダルにまみれている。
選挙での不正、機密文書の持ち出し、性的虐待と豊富な内容で起訴されている。
他に支持されるべき人物はいないのか。
この両者に代表される政治的な分断は国民の分断へと繋がっている。
アメリカにおいては、この分断が進み続けているような気がする。
トランプ氏の過激な言動は非難されもするが、熱狂的に支持する人もいる。
そして、その支持する人を、差別主義者として排除しようとする勢力が生まれる。
スパイラルは肥大しながら繰り返される。
この不安定な国と一蓮托生なのが日本であり、その代表が岸田総理なのだなあ、と不安と同乗の混ざった感情が生まれるのは私だけだろうか。

近年、世界の安全保障環境は大きく変わってきている。
かつて、自由主義諸国にとって中東のテロ組織が最大のリスクであった。
しかし、現在は中国、ロシア、北朝鮮という国家が軍拡に励み、核を備えて脅威を与えて続けているのだ。
対抗するために戦力を増大させる愚かさを持ち得ないのが、我々民主主義国家の賢明さであり危うさでもあろう。
脅威がエスカレートしたとき、日本は結束と分断のどちらを選ぶのであろうか。
誰を指導者として選ぶのであろうか。
脅威がさらなる現実味を帯びる日は近いかもしれない。

今後、夏から秋にかけて、急に解散風が吹き出すのかもしれない。
今現在は野党がごたついているが、いずれ落ち着く。
維新の台頭は侮れないが、全国規模で候補者を擁立するのは困難であり、何でもいいと擁立した候補に風が吹けば結果は怖いものとなる。

アメリカの分断が進み、国際情勢の不安定も進み、影響を受けた日本の政治と経済が混乱する。
不安と不満で国民感情が乱される中、なし崩し的に選挙が行われれば、この国の安定など豆腐のように脆いものであろう。
高齢少子化に伴う社会保障、増税の是非、安全保障、物価上昇への対策、時間をかけて議論し解決していかなければいけない問題は山積みされているのだ。
混乱に乗じて台頭する勢力は破壊をもたらすことが多い。
注意深く見守ること、冷静に思慮深く判断すること、これは私たち一人ひとりにとって大切なことだと思える。

ロシア

私たちが日ごろ接しているメディアには、気をつけなけれいけないなと、つくづく思う。
テレビや新聞は、情報が不足するのだ。
マスメディアは、社会の現実を伝える重要な役割を担っているものだと思う。
しかし、私たちが接しているメディアは、テレビが代表格であるが、圧倒的に量に乏しく、内容が偏っている。
スポンサーに利益を還元しなければ存在することができないのだから仕方ないことだ。
人が好むニュースを、好まれる形で報道しなければならないし、いかに重要なソースでも、一般の人が見たくないと思う情報は出せない。
スポーンサーの不利益につながる報道などもってのほかであろう。
これが、いかに危険なことか、私たちは自覚しなければいけないな、と最近はつくづく思うのだ。

スポーツの話題は楽しい。
良いことだと思う。
芸能の話題も害なくていい。
しかし、私たちは良いものだけ見ていていいのか。

私は今後、ウクライナ情勢に対する報道は徐々に少なくなり、人々の心から薄れていくかもしれないと思っている。
戦争が長期化するにつれ、世界も慣れてしまう。
世界が関心をなくしたら、当事国はどうすればいいのか。
世界の今後を左右する紛争が続いているということを忘れてはならない。
紛争による経済の不安定は、私たちの生活にも影響を与えている。
長引く勝負は、人の心を飽きさせ、勝敗への興味を失わせるかもしれない。
何でもいいから早く終わらせてくれと。
そして、どちらかが、膠着した状況を打開するために思わぬ行動に出るかもしれない。
ロシアは世界から孤立し、影響を弱めていくのだろうか。
実はロシアの友好国は増加しているのだ。
アフリカではロシアを支持する国は多い。
彼らにはヨーロッパによる支配に苦しめられた歴史がある。
その歴史の中で、欧米に立ち向かった反政府組織を、ロシアや中国は支援していたのだ。
支配から解放されて、ロシアや中国に感謝している国は意外と多いのだ。
そして、こういった途上国は、今後、影響力を高めていくだろう。
この先、ウクライナにはこれまで以上の支援が必要と思われる。
民主主義のデメリットが顕在化すれば、世界のバランスを変えるかもしれないのだ。

私たちは世界の動きを監視しなければいけない。
間違った方向に進んでいないか。
一部の既得権益者が都合よく誘導しようとしていないか。
真実を見せているとは限らないのだ。
いつも、世界のどこかで紛争が起こり、続いている。
「愛の敵は憎しみではない、無関心だ」
という言葉がある。
関心を持ち、考えることはとても重要だと思う。

リーマンブラザーズ

悪いシナリオを考える癖がついている。
ネガティブ思考はよくないのかもしれないが、リスクを予想し、備えるためには必要なことだと思う。
最近は特に、悪いことばかり考えてしまう。

まず、日銀総裁が10年ぶりに交代した。
黒田前総裁は、徹底した金融緩和を続けてきた。
これはある程度評価できるものだと思う。
デフレからの脱却は実現した。
しかし、あまりに緩和路線にこだわりすぎたのではないかと思う。
デメリットもあったのだ。
彼は、まったく自身が残した負の遺産に目を止めることなく去っていった。

今後、植田新総裁は、良いものは残し、悪いものはやめる、という当たり前の政策を行っていくだろう。
膨れ上がった国債の処理もある。
おそらく金利は上がるだろう。
金利が上がれば、物が売れなくなる。
住宅などの大きな買い物が控えられる。
しかし、不動産業は売りたい、金融機関はお金を貸して金利で稼ぎたい。
歴史は繰り返されるものだし、人は喉元を過ぎれば熱さを忘れるものだ。
リーマンブラザーズのようなことが日本で繰り返されるかもしれない。
需要と供給のバランスが大きく崩れたら破綻が起こる。
いったん崩れたら、ドミノが起こる。
資金調達に困難をきたせば、企業は脆いのだ。
次々に経営破綻し、経済危機は世界的に波及していくかもしれない。
いまだコロナは終息には至らず、先行きは不透明だ。
恐る恐るで、事業を進める企業は多いだろう。
しかし前に進まなければ生き残れない。
やみくもに進めば突然足元が崩れる危険性をはらむのが今の経済なのだ。

今後、望まれるのはバランスだと思う。
これまでの政策では、デフレを避け、緩やかなインフレを目指した。
物価が上がっても、賃金を上昇させることができず、国民生活は困窮しつつある。
これを金利を下げ続けることでごまかしてきたのだ。
そして国は、国債を増やし、お金をばらまいた。
これは道路や公共施設の建設に変換された。
コロナ対策、経済対策では物資に変換された。
この政策により、これらに関係した業種は潤ったのである。
しかし、そこまでで、その効果は断ち切られているのだ。
国民の生活は変わっていない。
この、限られた領域でお金を回す悪循環を変えない限り、格差は広がり、国民生活はよくならないし、不満は解消されないだろう。

今後果たして、インフレの中でも、同時進行で賃金も上がり、消費が行われ、経済成長を続けられる。
国政の恩恵はバランスよく国民全体にいきわたる。
少子高齢化の進むなか、一人当たりの大増税を受け入れ、膨れ上がった国の借金を返済していける。
そんな日本を作っていけるだろうか。
できなければ未来はない。
私は今、書きながら、寒気がしてきたのである。0