冬季五輪

まだまだ世の中は新型コロナで混乱し、冬季五輪で少し浮かれ、政治は言い訳し、経済は停滞し、市民は愚痴をこぼすことに忙しい。
この二度と戻らない時期をどう過ごすかで、今後の展開が大きく変わってくる。
個人でも、集合体でも同じことだ。
今からでも遅くないかもしれない、考えて、今できることを行動したいものである。

さて、私の最近の関心事はウクライナ。
多くの日本人は、関係ない外国の出来事だと思っているだろう。
大変ねえ…くらい。
まあ、すぐにどうこうということはないのだが、私は今後の展開次第では、日本が混乱に巻き込まれる可能性は十分あると思っている。
そもそも、ウクライナが西側に寄ろうとしたのが問題の発端にある。
ソビエト連邦が崩壊し、旧ソ連国のなかにはNATOに加盟する国も出てきた。
旧ソ連の主国ロシアにとっては屈辱だろう。
実際、東側においてロシアの求心力は低下の一途をたどっている。
ロシアにとって、ウクライナは何としても死守すべき配下国なのだ。
では、アメリカをはじめとする西側諸国は、なぜウクライナを自分たち側に引き込みたいのか。
馬鹿馬鹿しいが、意地の張り合いなのだ。
しかし、大国同士、東西の意地の張り合いの行方は、大きく他国に影響を与えるかもしれない。
ロシアはウクライナ国境に軍を集め、プレッシャーをかけている。
もし、アメリカがそれに対し、引き下がりロシアの主張を認めれば、笑うのはロシアだけではない。
中国も大喜びするだろう。
西側の結束など大したことはない、さて、台湾侵略に強気に出るか。
その前に尖閣諸島をつついて、あわよくば手に入れてやるか。
そういう方向にすすんでおかしくない。
台湾にしろ尖閣にしろ、有事となれば沖縄の米軍が最初に動く。
米中戦争という最悪のシナリオでは、日本や韓国が戦場になりかねないのだ。

アメリカのバイデン政権が今一つ頼りない。
このウクライナの落としどころは、絶対に間違えてほしくないというのが私の考えだ。
日本は法に縛られて、思い切ったことは言えないだろう。
しかし、できることはある。
岸田政権は、アメリカと協力して、強い外交を行ってほしいと切に願うのである。
遠い他国の出来事ではない。
今や世界は複雑に絡み合っている。
西側諸国は、団結して侵略を許さない。
そういう姿勢を貫いてもらいたい。

世の中は、見えているものはわずかにすぎないと思う。
今の経済でも、水面下で着々と準備している勢力は多く存在するようだ。
不安定だから動かない、それだけなのだ。
今起こっていることには意味がある。
予測し、即対応できるよう準備する。
政治でも経済でも、そこは同じだ。
私には関係ないことだから、そう無関心でいる人は、後で後悔するかもしれない。

日本のGDP

日本のGDPは伸びない。
景気回復の傾向は見えてこない。
コロナのせいで回復できない。
当たり前のことだが、それで済ませておくわけにはいかないだろう。
この原稿を書いている22年2月16日、コロナの感染者が多いイギリスやアメリカの景気は回復に向かっていると言ってよいだろう。
比較的に感染者・重症者を低く抑えてきた日本の回復は遅れている。
皮肉なものだと思う。
これまでの対策がよかったか悪かったかは別として、これからのことを考えていかなければならない。

インフレへの懸念もマイナス要因になっている。
確かにガソリンや日用品など、生活に直結するモノの値段が上昇している。
この実際のインフレよりも、それに対する消費者の反応が景気を大きく左右させる。
ウクライナや台湾もめぐるごたごた、米中ロの関係悪化。
世界の情勢の危うさは、経済の不安定に直結する。
日常生活に影響を与え、国民は混乱する。
政府機関は、この国民の不安を解消する手立てを打たなければ、経済の回復はさらに遅れていくだろう。

景気の動向とともに、雇用状況も気になる。
私の印象では、コロナの影響としては、雇用をめぐる環境はよくもないが、さほど悪くもなっていない。。
飲食などのサービス業では、コロナの影響で時短営業や休業を余儀なくされ、職を離れる人が増えた。
しかし、いざ再開するとなると急に人手不足となり、高い賃金での求人を余儀なくされた。
そしてまた、次々にくる第何派という流行で人員整理を余儀なくされ、…
この繰り返しの中で、労働環境は改善している部分もある気がするのだ。
これはこれまでの日本のシステムが変化しつつあるのではなかろうか。
例えばアメリカの企業では、忙しい時期には大量に雇用し、暇になれば解雇する。
効率的だと言える。
雇用期間は安定しないかもしれないが、その分賃金水準は高くなる。
働く側も、働けるときに働いて、仕事がなければ休息する的な環境に慣れている。
日本では簡単に解雇などできない。
これが、良い慣習だと信じてきただろう。
しかし、簡単に辞めさせられないので、閑散期の余剰人員を避けるため、普段から雇用を抑えなければならない。
結果、忙しい時期でも人は増やせない。
ブラック企業などという悪弊は、このシステムが作り出したともいえる。
少ない人員で無理をして業務を回しても、良い影響は出ない。
働く側の賃金水準も抑える結果になってきたのではなかろうか。
これがよいとは言わない。
資本主義的やり方で、こぼれ落ちて貧困に苦しむ人も出てくるだろう。
それを救済するのが行政の役割である。

今後、アフターコロナの中で、変わるもの変わらないものが出てくるだろう。
テレワークが広くあらゆる業種に浸透するとは思えない。
しかし、働き方、雇用形態は、今後変わっていくような気がする。
鎖国が解ければ、外国人雇用も一気に進むかもしれない。
今、まさに過渡期のような気がしている。
企業や、我々労働者、消費者は、この変化の中でよりよく生きるための選択を迫られるのではないだろうか。
もう、感染を恐れて我慢するだけの時期はとっくに過ぎている。
近い将来のことを考え、行動する準備をしなくていけない。

税金無駄遣い

会計検査院が2020年度の税金無駄遣い報告を行った。
改善されるべきは、2100億円だそうだ。
デカすぎて、ピンとこない数字である。
前年の指摘金額は297億円であるから驚く。
まあ、何が無駄遣いかという、捉え方もあるだろうし、結果論で責め立ててもよろしくはないと思う。
私は、会計検査院のやり方自体も疑問視すべき点があると思う。
不適切の内容も、これは仕方ないとすべきものも多い。
コロナでばらまいたものもあるしなあ。
しかし、庶民にとっては、日々生活するのが馬鹿馬鹿しくなる金額である。
これが、私たちの稼ぎの一部が搾取された結果であるのだから。
アベノマスクは、8000万枚の在庫を抱え、これが115億円、保管費だけで年間3億円かかるそうだ。
岸田総理は、年内めどに廃棄する方針を表明している。

コロナ過において、国政は打てる手を打ってきた。
なかには場当たり的で、何でそうなった?と思えるものも多い。
アベノマスクは、代表的なものだろう。
広く国民に、いかに税金が無駄に使われているか知らしめる、いい機会になったとでも思わないと救われない。

ここで私たちは、方向性を間違えてはいけないと思う。
これを愚策として責任を追及することが、どれだけ建設的なのかだ。
国民民主党は、国会で、どうツケを払うのかと攻め寄った。
ツケを払うすべはない。
分かっていて言うな。
安倍政権とポンコツ官僚のせいで国民がかぶらなければならないと、諦めるしかないのである。
だが、二度と失敗しないように、検証は行われなければならない。
これは、常識のズレである。
コロナ対策は、ほとんどが泥縄で行われた。
見切り発車も多かった。
行った人たちが、あまりに世間の常識を持っていなかった結果がアベノマスクではなかろうか。
私は、エリートと呼ばれる人たちが、いかに常識を持ち得ていないのかを表しているように思えるのだ。

緊急事態宣言のタイミング、ワクチン接種のスピードなど、結果的には良い結果を招いたと思える施策も多い。
だから、くだらないマイナス判断や行動を起こすようなことは減らしてもらいたい。
安倍政権では、こんな意味の分からない不手際が多く見受けられた。
期間は短かったが、菅政権では、スピーディに適切な政権運営が行われたのではないかと思う。
ワクチン接種の浸透は、圧巻であったと言っても良い。
岸田総理となってから、どうもおかしくないか、と思い始めている。
鈍い。
閣僚が間抜けなのか、官僚がポンコツなのか。
国民の、求めるものが理解できる人が、あの周辺にはいるのだろうか。
施政者は、市民のセンスを持っておいてほしいと、改めて思った次第であった。