思いもよらぬ長期政権

安倍首相の首相在職日数が歴代4位になったそうで、思いもよらぬ長期政権を築きあげてきました。
政権はまだまだ続きそうで、今年の11月には歴代最長記録を塗り替える予定でもあります。
在職日数1位という、歴史に名を残す首相となるんですね。
約1年で失脚した一次内閣から返り咲いたことを考えれば、この人は人望はあるのでしょうね。

何でこれほど盤石の地位を続けてこられたか。
まず第一には、野党の力の無さ。
どうしようもないですね。
本来政治は、保守とリベラルの対決という構図があり、その代表政党が競い合うのが普通だと思います。
しかし日本は、保守自民党以外の力が弱すぎて、仕方なくという感じで自民党内でリベラルな発言者を出してバランスを取っているような気さえします。
野党は対抗できる政策を出せずに、とりあえず政策に反対する、反自民の姿勢を取る、だけに終始しているような気がしてなりません。

そして第二には、マスメディアの不甲斐なさだと思います。
今、世間でのニュースは、雑誌に芸能なり政治なりのスキャンダル記事が載る、それをテレビが追随して独自取材を付け足して、何となくしゃべり上手で映像受けするコメンテーターを用いて展開するというパターンじゃないでしょうか。
内容は安直なものにならざるを得ません。
戦後にカストリ雑誌という言葉がありました。
カストリというのは、戦後の混乱期に出回った密造焼酎の名称です。
粗悪な製造法であったため、飲むと悪酔いして、3合飲めば潰れてしまうと言われました。
それに引っかけて、エロやグロを基本とした低俗な雑誌、3号出版すると潰れるような記事の載った雑誌をカストリ雑誌と呼びました。
現代で人気のある週刊誌も、ちょっとインテリ風ではありますが、カストリ雑誌に近いものです。。
雑誌の記事から始まるスキャンダルは、切り取られ、誇張され、騒ぎ立てて、時には国会でも取り上げられ、国政に影響を与えます。
政治家も、どこに記者の目や耳があるか分からず、思うようにものも言えない時代ですね。
雑誌が主導するマスコミ。これはこれで、抑止力となっていいのかもしれません。
しかし、低俗な話題で世間が騒ぎ、メディアに仕立てられた悪者が社会的制裁を受けるのに満足している間に、知られず進められる、または葬られる話題もあるのではないでしょうか。

日本を動かしている大きな力に、長州閥と呼ばれるものがあります。
明治維新で強大な力を持った薩長土肥。
その中でも薩摩と長州を中心に権力争いは続けられ、西郷隆盛は失脚し西南戦争で死に追いやられ、大久保利通も暗殺されて、長州が日本の覇権を握ることとなりました。
それ以来、日本国の運営には長州出身者が絡んでいるのです。
安倍首相の祖父の岸信介、その弟の佐藤栄作などは分かりやすい長州出身者です。
何も長州出身者が結束して、排他的になり、日本を牛耳ってきたというわけではありません。
長州閥は日本の政治経済を動かす組織力の一つの象徴です。
政治経済の有力者たちは姻戚関係で結びつきを強め、一見無関係に見えても、誰と誰が東京大学の同級生などと複雑に絡み合い、結びついている。
そして、彼らは日本国運営のノウハウや思想を閉鎖的ななかで受け継いできているのです。
良くも悪くも、おかげで安定しているのです。
彼らの結びつきや水面下の活動などマスコミは無関心です。
たとえば、原発問題を取り上げてみましょうか。
安倍総理は昔、神戸製鉄に所属する会社員でした。
その神戸製鉄は東京電力の原発設備を多く受注しています。
安倍さんと対立しているスタイルの石破茂さんの娘は東京電力に就職しています。
こういう結びつきは見えやすいほうです。
あらゆる形で電力会社と自民党は結びついています。
そして、巨大な献金と利権がやり取りされ、絶対に原発はなくなりません。

分かりやすく食いつきやすいスキャンダルだけでなく、根深い結びつきの構図をもっとマスメディアは取り上げてもいいのじゃないでしょうか。
そして実は、メディアが失墜しているとなげいている私たちの責任も大きいのです。
メディアが低俗なのは、それを求めている市民が低俗だということなのです。