世の中で一番大切なもの

世の中で一番大切なものはなんでしょう?
個人では、人それぞれで違ってくるかと思います。
家族であったり、健康であったり、お金や名誉だという人もいるでしょう。
では、世の中全体で考えたなら、一番大切なものとはなんでしょうか?
たとえば、私たちは教育のなかで命は大切だと教えられてきました。
「人の命は地球より重い」
日本赤軍の日航機ハイジャック事件のとき、犯人側に屈して多額の身代金を支払い、更に服役囚を釈放するという選択をした、当時の福田首相の言い訳の言葉です。
確かに命は大切です。しかし世界全体を俯瞰すると、人の命とは意外と軽いものかもしれないという気もします。
世界の人口は約75億人、毎日15万人以上が亡くなっている。
人の命は日常的に失われるのです。

世の中全体レベルで考えると、人の命はどうも一番ではない気がします。
大切なものはいろいろあるでしょうが、一番は?と問われたときに、私は「国益」になるんじゃないかと思います。
私が勝手に考えているわけじゃなく、世界の国はだいたい国益第一です。日本もそうです。
外患誘致罪という罪があります。「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させ、又は、日本国に対して外国から武力の行使があったときに加担するなど軍事上の利益を与える犯罪」とされています。
これは刑法のなかで最も重い罪で、刑罰は死刑のみです。
人一人殺しても懲役5,6年で済んだりするのに、外国と通じて日本を危険にさらせば、絶対死刑なのです。

人の命は何物にも代えがたい、命は平等だと言いながら、時に国は、戦争では何百何千の命を平気で奪います。
重大な犯罪を犯せば、死刑に処されます。
誰もが勝手に人を殺せば国は滅びかねない、だから人を殺してはいけないということになっているだけなのじゃないでしょうか。
国を守るため、国益のためなら人の命はそう重くはないのです。
世の中の仕組みはこの「国益」に沿って作られているということは、ちょっと考えると腑に落ちることが多いです。

前置きが長くなりました。
沖縄の基地問題が何でこんなにこじれるのか。
国防のため、アメリカとの関係のため…。
国を動かすくらいの政治家であれば、そうした国益を守るためなら、沖縄の自然やら、そこに住む一部の人の生活などは軽視することになる…
そういう意識は当然のこととしてあるはずです。
それが国政のスタンダードなのです。
しかし、これは間違っても言葉にはできない。
沖縄を大切にと口では言います。しかしやることは正反対です。
言葉と行動が全く異なるなんてことは、政治家にしてみれば当たり前のようものです。
しかし、これが原因でもめるのです。
為政者は正直なことは言えない、反対勢力もそれが分かっていて攻撃する。
分かっているから、攻撃も本気にはならない。
分かっているのかいないのか、真剣に支援し活動する人もいるからややこしい。
沖縄の人々は、期待して失望して、翻弄され続けてきました。
過去に、国益の重要性をあまり理解していない鳩山という総理は、何の根拠もなく「最低でも県外」と約束しました。
守られるわけありません。
そんな政権が長続きするはずもなく、分解した後に盤石の体制を築いた安倍政権は、あからさまに国益第一の政権運営をすすめています。
国益に関わることは、政治パフォーマンスに利用してはいけないのです。だからこんなにこじれてしまったのです。
「国益第一ではあるのだけど…」、これを前提に、もっと早くに解決策を探っていれば違っていたのかもしれません。沖縄には同情します。
お国のためなら、犠牲はやむを得ない。
政治家は口には出しませんが、この原則は間違いなく存在します。だから今後も何も変わらない気がします。
実は世論はあまり力を持たないのです。本土の人にとっては、やはり人ごとです。「国が危うくなりますよ」これを突きつければ黙り込むのがわかっているからです。
でも実は人ごとでもないと思わないといけないでしょう。何かあったときには、たとえば人権など、私たちが重要で大切に守られるものだと信じているものは、実は薄く軽いものかもしれないのです。

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