世界の情勢

世界の情勢が以前にも増して読みづらくなっている。
要因は、アメリカ、中国、という2大大国が揺らいでいることにある。
まず、アメリカは、バイデン政権のあまりにもひどい支持率低下。
期待外れの施策を続け、急失速している。
1年後には中間選挙。
ここで民主党が多数派の議席を割れば、さらに混乱するだろう。
支持率低下の原因は、まず新型コロナ対策。
ワクチン反対派の勢力が意外に強く、接種率が伸びずに感染者数も下げ止まり。
次にアフガニスタン対応の期待外れ感。
そして、急激な物価の上昇。追い打ちをかけるガソリン価格の高騰は市民の不満を高め、やっぱりトランプのほうがよかったのでは…などと言う見方が増えてくる。
アメリカという国も、なんとも難しい。
アメリカ大統領という、世界を代表する権力者が、なんと小さく見えることか。

中国は景気の減速があからさまになりつつある。
ここも、コロナの影響で、生産が落ち込み、当然ながら消費も落ち込む。
怖いのは不動産業界。
中国の土地はすべて国有である。
民間の不動産業者は国から土地の使用権を購入し、ビルを建てて販売する。
土地の調達のために莫大な借金を重ねてきたのだ。
不動産が値崩れすれば、この借金を返済が困難になる。
国は使用権販売の収入が減る。
不動産会社が倒れたら、まともに国がダメージを受ける構図になっている。
しかし、こんなバブルの崩壊は、昔から予想されていたこと。
わずか数%の富裕層が、経済を動かし、富の恩恵を受ける。
大多数の国民が下支えにされている。
こんないびつな経済構造が、そう長続きするとは思わない。

日本は今後、好まざるとも、この混乱に巻き込まれていく。
幸いなことに、現在日本は、新型コロナの感染を抑え込んでいる。
先んじて経済活動の正常化を達成しなければならない。
私は思うのです。
この世界規模の混乱が余儀なくされた中で、日本は比較的平静だった。
メディアが騒いだほど、国民の生命は危機にさらされましたか?
日本はあらゆる面においてバランスがいい。
何事にも安定している。
移民が少ないという面もあるのだろうか。
とにかく、これから先をチャンスと捉えて、安定的成長を進めることができるか!、日本国政府のかじ取りを期待したい。

衆議院選挙

衆院選挙が終わり、自民党は単独過半数を獲得。
自公合わせて、絶対安定多数の議席獲得に成功した。
選挙結果の分析は、プロの方々が、もっともらしくされるだろうから、私があれこれ言うことじゃないのだが、まあ野党共闘は受け入れられず、何をしてもダメだということが認められた。
そして、大物・重鎮たちの落選が相次ぎ、老害をまき散らす輩は、社会一般に同じく、退場してくださいということなのだろう。
落選した大物と言われる人たちは、パフォーマンスが下手という共通点が見えてくる。
話を聞いてもらうために、人目を引くことは重要だ。
奇抜な言動に頼る場合もあるだろう。
これが、地が出るのか、わざとなのか知らんが、ひどい。
常識の基準がずれている。
ずれている人に、国民の気持ちがわかる期待はできないので支持されない。
当たり前である。

私が今回感じたのは、自民も公明も立憲も共産も、とにかくずれている。
元々ずれていたが、ずれが大きくなっている。
そうしっかり感じ取った国民が多いのではないかということ。
その結果が、ずれた者たちとの協力をよしとしなかった党である維新、国民民主党の議席増加に繋がったのではなかろうか。

今回、維新が議席を大きく増加させた。
その分を与党と共闘野党で仲良く減らしたという形で、表向き与野党間での敗者は見当たらない。
しかし、今回共闘した野党に未来は見えない。
言い方は悪いが、共産とまで協力して、そこまでして、議席を減らしたのだ。
そして自民党も世代交代が求められるだろう。
若い顔が見えなさすぎるのだ。
有権者は、未来への展望が見えてこないことにうんざりしたのだ。
だから年を喰っただけで偉そうにしている有名議員が落選した。

今回の衆院選、やっぱりこんなものだよな、と思う反面、今後の政界の流れ、期待のようなものを感じた気がする。
維新という政党に国民が少なからず期待したということだ。
ひっ迫感をどうにかしてくれるのではないかと考えているのだ。
れいわも初めての議席を獲得した
今後の国会内での、新しい顔ぶれの動き次第では、大きな流れとなっていくかもしれない。
この政党が国をよくしてくれるかどうかは、まったく未知数だ。
私たち国民は、政治に積極的に参加していかなければいけない。
政治家は、やるかやらないかではなく、期待させるかされないか、を重視して行動しがちだ。
言うだけ詐欺が横行する。
選挙が終われば、本当にやれるのは誰なのか、どの政党なのか、見極めていかなければならない。
相変わらず若い世代の投票率は低い。
投票は目的ではない、きっかけなのだ。
自分が投票した政治家や政党がその後どうなったのか。
関心を持たなければいけない。
何万分の1票に過ぎないとしても、この不公平な世の中で、珍しく平等に与えられた1票なのだ。
ただでさえ、高齢少子化で、多数決で事が決まる民主主義の日本では不利な若年層。
抵抗しなければ、世の中、いいようにされてしまうぞ。

総理大臣指名選挙

総理大臣指名選挙によって、岸田総理大臣が誕生した。
これからどうするのか、の話だから、期待もしないしがっかりもしない。
ただ、なるほど、議院内閣制だなあ、とあらためて思った。
河野氏の票数で肉薄しており、国民の支持は、河野氏が上だったのではないだろうか。
しかし、自民党議員、党員は岸田氏を選んだ。
仲間内で、さらにどれだけ仲間を作れるか、で日本のリーダーは決まる。
必要なのは人望なのである。
だから、その基盤は弱く、権限も大したことはない。
だが、リーダーはリーダーである。

まずは、衆院選であるし、この結果が出ねば何も始まらない。
政権交代、首相交代の可能性もある。
枝野氏は、岸田総理の誕生に際し、「自民党は、変わらないし、変われない」と語った。
内心、少しは喜んでいることだろう。
河野氏は、型破りというイメージで、現状に満足できない人々には人気が高い。
何か変えてくれる、と期待させるイメージがある。
河野総理の誕生は、自民党の支持率を一時的に引き上げ、選挙には有利に働いたはずなのである。
しかし、自民党員はあえて、岸田氏を選んだ。

私は岸田氏に対して、中途半端という印象が第一に来る。
本来リベラル派の人物である。
しかし、安倍氏ら保守層に近い発言も多い。
バランスをとるというか、配慮をする、人物であろうか。
だから、多くの支援を受け、総理になれたのだろう。
ただ、二階氏とは、抗戦する姿勢も見せた。
読めない人物なのである。
今後、政権を運営するにあたっても、何事もうまい具合に調整し、切り抜けていくつもりでいるのなのかな、という気がしている。
しかし、それが新総理のカラーだとすれば、なんとも物寂しい限りである。
新政権には課題が山積みなのである。
まずは経済を立て直さなければ、日本の未来はない。
新型コロナに痛めつけられ、対策費に多くのお金が消えた。
東京五輪の半ば強硬ともいえる開催でも、負債は増えた。
そして、選挙を前にばらまき政策をぶち上げねばならないだろう。
そんな公約も、すべて反故にするわけにはいかない。
時限立法の形をとってでも、実現させねば政権に未来はない。
短期的には国民にはうれしいかもしれない。
しかし最終的なしわ寄せは、国民に来るのである。

問題は選挙後である。
ばらまいても、ぶち上げても今は構わない。
しかし、納得のいく着地点は必要である。
どう我々を納得させてくれるのか。
どれほどのリーダーシップを取っていけるのか、まずは、冷静に見ていきたい。
国民がしっかりと判断すべき時だろう。