社会保障費をめぐる、不都合な現実

国のお財布事情がどうなっているか、きちんと知っていますか?
なんかしらん、借金が増え続けている、ってことくらいは聞いたことがあるでしょう。
ヤバいという人もあれば、心配ないという人もいる。
実際、日本株式会社の収支を把握している人は少ないんじゃないでしょうか。

まず、国の予算ですが、今年度の支出予算額はざっと100兆円です。
これに対して税金による収入は40兆円。
じゃあ60兆円はどこから持ってくるのって話ですが、これは国債、つまり借金によって賄われます。
さて、支出の100兆円ですが、このうちの25兆円は国債費、つま借金している分の返済に使われます。
うち9兆円は利息です。
これだけ見ると恐ろしい赤字経営ですね。
今年は60兆円借金して、16兆円元金返済、利息に9兆円支払う。
しかし、潰れなきゃいいんですよ。
別に、借りる額も返す額も、国が勝手に決めるわけで、無理して返せとも言われないし、差し押さえられることもないし。
借りているのも大部分国民ですから、返してもらえないって時は日本自体が終わり、一蓮托生です。
貸している方が偉いわけでもないんです。
どんなに借金が膨れていっても、経済成長が続いていけばいいんです。

問題は金額の大きさでも、ヤバいくらいに右に傾いたバランスシートでもありません。
だいたいが、今申し上げているのは一般会計と呼ばれる分の話。
国民に公表される、この一般会計のほかに、特別会計と呼ばれる不思議な制度がありまして。
何に使うのかよく分からない予算が別に200兆くらいあるんですよ。
この話を持ち出すと面倒なのでやめます。
問題にしたいのは、予算の内訳です。
100兆円のうち、25兆円は借金返済に使うというのは分かりました。
残りの内訳で、厚生労働省の予算が32兆円あるんですよ。
何かとうるさく言われる防衛費で5兆円なんですから、どんだけ大きな予算ですか。
32兆円は、医療、介護、福祉、年金といった社会保障費として使われます。
この社会保障費は、必要なのですが、生産性はあまりありません。
日本経済に与える負担は絶大です。
実際、消費税を8%から10%にしようかどうしようか、と騒いでいるレベルじゃないと思うんですけどね。

この膨大な社会保障費。
これもひとつの利権であり、使われ方に疑問を呈したい部分が大きいです。
何で、こんなに薬ってバカ高くて、それが大量に使われなきゃいけないんですか。
政と官、そして医師会や製薬会社、その他諸々の団体、企業が混ざり合って関係を構築し、誰も手出しできないシステムがつくり上げられているような気がしてなりません。
介護老人保健施設という介護保険適用の介護サービスがあります。
介護従事者の賃金水準が低いと問題になったことがありますね。
確かに現場の介護職の給与は安いです。
しかしこの介護老人保健施設、医師を最低でも一人置かなきゃいけないのです。
治療といってもたいしたことのできない、高齢者施設。
だいたい現役を退いた80過ぎの医師の再就職先であったりします。
医師がいないと営業できないシステムです。
医師会が斡旋してくれるので、施設は年収1,500万、2,000万で雇わざるを得ない。
ほんの一例です。
社会保障費をめぐる、不都合な現実は、私が知る限りでも、どれだけでも文字で紙面を埋めることが出来ますよ。
まずはこの、財源の覚束ない社会保障費をどうにかしないと、本当にまずいと思うんですけどね。
若者や子どもたちが絶望する未来にしてはいけませんよ。
厚生労働省予算、誰か、この巨大で真っ黒な箱を強引にこじ開けて、整理してくれませんかね。

政治献金

私はね、日本の政治をダメにしている一番の原因は、政治献金だと思うのですよ。
これ、何のためにあるのですか?
何で政党や政治家にお金を払うのですか?
世の中をもっとよくしてもらいたいから、応援するためにお金を払うという趣旨でしょうか。。
まあ、個人献金はそれで、許されるのかなとも思います。
しかし企業や団体が献金するのって、何のためですか。
見返りを期待して行われるのでしょう。
慈善事業に寄付するのとはわけが違います。
社員には特定の政党、政治家を支持する自由、指示しない自由があるのですよ。
社員の努力によって稼いだ会社の大事な金を、たとえ余っているのだとしても、社員に還元しないで勝手に政治献金とする。
会社って、基本的に役に立たないことにお金は使わないです。
会社に役に立つ政策を実行してくれるなら献金しますよ、という考え方なんでしょ。
私はあまり頭がよくないから、こういう政治献金と賄賂の違いがよく分からないのですよ。
誰か教えてください。
政治資金規正法とかの話はやめてくださいよ。
こんな抜け道だらけの法律で説明されても説得力はないです。

政治と金の問題は、明らかにされにくいです。
ロッキードや佐川などは、特例です。
たまにバレちゃう運の悪い政治家は、責められます。
対立政党は、国会で追及しますが、追及する側も、「バカだなあ」とか、「かわいそうに」とか思いつつ、明日は我が身と気を引き締める気持の方が強いのではないでしょうか。
マスコミも扱い方にはデリケートにならざるを得ない。
メディアのほとんどにはスポンサーがついていますから。
彼らも何らかの形で政治とは金銭関係で結びついている。
「あんまり、藪を突っつくのはやめときましょうね」、これが暗黙の了解ではないでしょうか。

もはやお金関係と失言関係は、慣れてしまってあまり反応する気になりません。
安倍内閣もあまり気にしていないのではないですか。
だいたい安倍さんの人事は、「義理を通す」です。
自分を支援してくれた人、助けてくれた人を重要ポストにつけてあげます。
あんまり資質にはこだわっていないようです。
当然、やがて個人の問題が表面化してくる。
その時は、申しわけないけど仕方ないねと、更迭する。
義理は通したから、と次の入替人事で、何とかなっていくのです。

もし、政治献金が全くなくなっても政治が動いていくなら、もっと国はよくなる気がします。
たとえ、お金を受け取っても、企業から受け取った金をうまく、広く人のためになることに使ってくれるのならいいのですけどね。
そんな政治家も、いないことはないですけどね。知る限り過去に数人は…

そう言えば、企業献金はおろか政党交付金も受け取らずに、新聞売上と個人献金だけで運営している政党がありましたね。
はい、共産党ですね。
私は共産党は支持しません。はっきり言って嫌いな点が多いです。
しかし、この政党、ちょっとは見習ってもいいところがあるのかな。
何事も、すべてを否定せず、認めるところは認めてやろうじゃありませんか。
何でもそうですが、すべてを否定せずに、学ぶべきところは学びたいものです。