首相の交代

日本の首相は突然の交代となった。
アメリカの大統領も、交代は動かないだろう。
日本の場合は、その政策は大筋で変わるものはない。
総理大臣の権限はたかが知れている。組織の意思が政治を動かしている以上、代表が誰であろうと関係ないだろう。
悪しき慣習だけを切るに、いい機会だとは思う。安倍さんのことを政治家も国民も忘れ去るにちょうどいい。
どうせ、安倍政権の遺産などは、残すべきものは少ない。

アメリカの大統領選のほうが興味を持って見ることができた。
私はトランプという人物を好きでも嫌いでもない。
会ったこともない人を好き嫌いもないものだと思う。
メディアを通じての人物像など、なんの意味もないと思う。
ただ、彼の残した政策、言動、なにひとつ、評価できるものはないと思う。
彼の政策の第一の目玉は、経済対策だったはず。
新型コロナの影響もあるとはいえ、アメリカの経済環境は全く改善されなかった。
雇用に関しても、けっきょくアメリカ人の失業率はかわらない。
あれほど、移民を排除し、メキシコ、中国と敵対して、この結果である。
成長率は低下したとは言えないまでも、あれほどの大風呂敷の末では、まったくお粗末な増加率。
財政赤字は増加し、ドルの価値が下がるリスクは増大した。
結局、トランプの言動は、話題性だけは大したものだったが、オバマ政権と比べて、すべてにおいて劣っていたといえるのではないだろうか。

日本も、これに付き合ってずいぶん振り回された。
貿易面では、相当苦慮したのではないだろうか。
アメリカのTTP離脱からの日米貿易協定など、後々の笑い話になるだろう。
今後、バイデン政権に移行したとして、この政権は前政権の負の遺産をそっくり受け継ぐことになる。
ビルド&デストロイのデストロイだけを散々やってのけたツケは大きい。
元に戻すビルドをやり直すことになるだろう。
そして、ひたすら日本は、押し付けられたり、付き合わされたりの日々が続くことになるかもしれない。

菅政権も発足時点で、死に体に近い状態ではないだろうか。
コロナ過のなかで、対策に尽力するために必要というだけで存続を許されている気がする。
今後、与党内での分裂が起こるのではないだろうか。
自民党に幸いなのは、野党が同じように分裂し、共闘できず、何ら力を出せずにいることだろう。
出せずにというか、そもそも現野党に力などないのだから話にならない。
いつまでも、変わらず衰退する日本の政治、大きく変わりながら衰退する大国アメリカ。
仲良く滅びの道をたどらなければよいのだが。

今後、世界勢力の再編がおこっていくのではないだろうか。
資本主義社会が逼塞するなか、何かのアクションを起こさなければ、西側勢力は低下の一途をたどるだろう。
それでも民主主義は絶対に守られなければならない。
日本がもう少し、世界のリーダーシップを取れないものだろうかと、ないものねだりが止まらない。