世界の混乱

近年の世界の混乱は、異常かもしれない。
情勢を判断、予測するうえで、歴史を振り返るということは重要だと思っている。
日本にとって、最大の悲劇の一つに太平洋戦争が数えられるのは間違いないだろう。
戦争へ至る道の過程で、多くの混乱があった。
この、戦前の混乱が、今の日本の状況と似ていることを指摘する人は少なからずいる。
もちろん、すぐに日本が軍事化を進め、戦争へ向かうということはないだろう。
しかし、混乱は国民にとって良い影響は与えず、さらなる混乱、困窮、不満、反体制という道をたどりがちなのである。
戦前、日本は、第一次世界大戦、関東大震災、世界恐慌、度重なる混乱は経済にダメージを与えられた。
第一次大戦のあと、ヨーロッパでは急速に景気は回復し、日本は大きく後れを取った。
いつの時代も欧米は強いのだ。
まして今、日本はアメリカの属国的存在である。
現代、新型コロナウイルス、ウクライナ紛争、東西の経済制裁の打ち合い、原材料不足によりほとんどの品目が急速な値上がりを続けている。
グローバルサプライチェーンの世界にあっては、全体的に悪化することは避けられない。
しかし、強国から回復していくのだ。
弱い者は、さらに弱い者を踏み台にして遅れながら回復する。。
そして、虐げられた者は、どうしようもなく、逆転のための行動に出る。
今後どう動いていくかわからない国際情勢であり、特に日本は景気の先行きがかなり厳しい。
今の状況が未来の深刻な危機の遠因となるかもしれないのだ。

日銀はかたくなに、金利の引き上げを否定し続けている。
膨大に膨れ上がった国債は金利の引き上げを受ければ、利払いは財政を大きく圧迫するからではないのだろうか。
今後、外国の投資家は日本国債を売る行動が加速するかもしれない。
日本という国が、じわじわと沈んでいく光景が、ちらちらと頭をよぎるのは私だけなのだろうか。

日本にとって今、外交と景気対策は、最重要課題なのだ。
どこまで国民が、政治家が、それを理解しているのかまさに疑問である。
影響力が大きかった元総理とはいえ、一個人の国葬の是非を議論している余裕はないと思うのだが、いかがであろうか。

とは言え、これまで何となく避けてきた、宗教法人について知識を深める良い機会になればいいと思っている。
宗教は怪しい、ではいけないことは誰にでもわかるだろう。
しかし、怪しい側面が多大にあるのだ。
憲法が保障する信教の自由・政教分離原則というものがある。
本来、政治と宗教が結びついてはいけないのだ。
規制が必要だろう。
金銭の搾取、洗脳などの行為を行う宗教団体は悪であり、こういう団体は解体すべきであるし、それと結びついている政治団体も同様であろう。
政教分離を徹底する。
本気で進めてもらいたいと思うのである。

コロナワクチン

急に世の中が動き出した気がします。
新型コロナワクチン接種が世界の先進国で開始されました。
正確な有用性安全性についての結果が出るのはまだ先でしょうが、どうやら効果が期待でき、これがゲームチェンジャーとなりそうな予想です。
アメリカの大統領の交代も何とか無事に進み、日本では菅政権も忙殺のなかで、どうにか舵取りを進めている。
タイミングを同じくして、自民党内から、菅総理のまさに身内から、スキャンダルが噴出し、ごたごたと見苦しい様をさらす。
なるほど、いつもの政界の日常に戻りつつあるのかもしれないという気がしています。
しかし、面白いものです。
なぜ、公人として、公共の場で、言うてはいけないことを平然と言い、まずいとわかっている行動を我関せずとばかりに行うのでしょう。
東京オリンピックを統括する人物が、まさかの差別発言。
国民に我慢を強いらせている国会議員が、夜の会食。
緊張感も使命感もない。
想像力も危機管理能力もない。
単純に頭が悪いんだろうなあ、としか思えない。
こういう、バカが先生と呼ばれている世の中で、私たち国民こそ、しっかりしなければいけないのです。

衆愚政治という言葉があります。
我々有権者が愚かであるせいで、正しい議論や判断が阻害され、政治が間違った方向に進んでしまうというものです。
これも差別的な言葉のかもしれない、しかし確かに有権者の多くは、政治的には未熟な考え方をしがちです。
そこを上手に利用し、うまく立ち回り、代議者となる者は多い。
見せかけだけの大義を語り、詭弁によって人心を誘導し、自分の周りが有利な方に物事を勧めようとする政治家やその取り巻きは相当に多い。
そのうちの一部は、油断してしくじり、こうして表面化して袋叩きにあう。
近年、珍しいことではない。

果たして、先を見通した、真に大義ある意思決定など、誰ができるのでしょうか。
私たちは冷静にならなければいけません。
総理大臣の息子が公務員に対して不正な接待を行ったなら、親である菅さんは責任を問われるのか?
迷惑をかけたお詫びに辞任するべきなのか?
本総理で自民党の重鎮である森さんが女性蔑視発言をしたから、自民党は差別主義者の集まりなのか?
バカ息子やバカ老人は当然責任を取らなければいけないでしょう。
しかし、それだけのことです。
当事者は罰せられ、退場していただく。
これを、無理して政治問題とするべく世論をミスリードしようとしている輩がいないだろうか。
日本の将来を真剣に考えて、人を選び、より正しい政策を支持しなくてはいけません。

民主主義はどうしても衆愚政治となる危険性をはらんでいます。
コロナ過という、近年の状況の中で、日本だけでなく、欧米を中心として、世界の民主主義国家のシステムがその欠点を次々とさらしている気がするのです。
今後、アフターコロナという新たなステージの中で、さらなる混乱が生まれ、間違った意思決定を続けることがないことを願います。
私たちは、常に学び、俯瞰し、考えなければいけないのです。
主権は国民にあります。
ならば、その責任も背負っているのであり、それを果たす義務もあるのである。
今後私たちは、バカな扇動者をしっかりと見極め、速やかに退ける必要があると考えるのです。

日米同盟

アメリカの指導者は変わりました。
日本は付き合い方をどうすべきなのでしょう。

私はとりあえずは保守派です。
しかし、現政権を全面支持するわけではなく、日本にリベラルなど存在しないに等しく、与党以外に頼るべき政党が見当たらないから仕方なく保守支持なのです。
国民は、与党の方針、野党の言い分、と、乱暴にひとくくりにして考えるべきではないと思います。
与党の政策を細かく見れば、納得できるもの、受け入れがたいもの、分かれています。
野党の意見も同様。
私が政権の方針で納得できないものの一つが日米同盟をあまりにも尊重した外交です。

日米同盟は冷戦に対抗するために結ばれたものです。
敗戦によりあまりにも無力であった日本は、アメリカに寄り添い、守ってもらうしか生きる道はなかった。
その後、世界は変貌しました。
ソ連は崩壊し、社会主義勢力は、昔のような脅威ではなくなっているのです。
もちろん危機がなくなったわけではありません。
しかし、大国が紛争の当事者となれば、世界の終わりとなりかねない、ということは誰もが理解していることです。
ソ連に代わって、中国が目覚ましい発展を遂げました。
現在は米中が世界の覇権を争っているという構図が出来上がっています。
軍事的衝突のリスクは軽減し、経済戦争が静かに継続しているのです。
しかし、この両国のどちらかが一方的に勝利するという現実は見えてはこない。
中国の民主化など、だれが真剣に考えるでしょう。
バランス・オブ・パワーが重要になっているのです。
トランプ政権はバランスを崩そうとしました。
というより、揺さぶり、崩そうと見せかけ、敵対姿勢を強めることで、自国を、トランプ自身を正当化しようとするものでした。
その中で、日本は、右往左往を余儀なくされた4年間ではなかったでしょうか。
バイデン政権では、米中は敵対関係というより、競争関係としての立場をとっていくのではないかという気がするし、それを望みます。
大国は競争し合うと同時に協力するべき事柄は多く存在します。
新型コロナの影響もあり、アメリカは衰退しました。
中国は立ち直りが早い。
今後の世界は、両大国のバランスを見極めながら立ち回っていかなければならないでしょう。

日本は、あまりにアメリカに依存しすぎています。
日本にとってアメリカは、唯一の同盟国、しかし、アメリカにとっての日本は数ある同盟国の一つに過ぎないのです。
日米関係は日本にとって、最も重要な外交なのです。
同盟国であるなら、お互いの関係が、どのように利益に結び付いているのか、どちらがどのようにコストを背負っているのか、常に考え、議論し続ける必要があります。
現在、押し付けられる関係が強すぎます。
アメリカの政権交代は、地位協定を考えるにいい機会なのです。
もし、日本海で中国や北朝鮮との衝突が起きたら、アメリカはどこまで介入してくれるのでしょうか。
リスクを承知で日本の診方をし、軍事介入までしてくれるのでしょうか。
今、詰めておかなければ、日本の明るい将来は見えてきません。
外務大臣が、懸命にコロナ対策に奔走している日本に不安を覚えるのは私だけでしょうか。
悪いとは言わない、しかし、他にいないのか、今、誰がやるべきなのか、誰も疑問を持たないのか。
コロナのせいにして、何もかもか、ずれてきている気がしてなりません。